« 2008年6月 | トップページ | 2008年8月 »

2008年7月の記事

『ザ・マジックアワー』を見ました

売れない役者が殺し屋の身代わりをさせられるという、三谷幸喜監督作品第3弾『ザ・マジックアワー』を見ました。

キャバレーの支配人備後(妻夫木聡)はボス・天塩(西田敏行)の愛人(深津絵里)に手を出してしまった。そのことが原因で海に沈められそうになる備後だが、伝説の殺し屋『デラ富樫』を探し出せば命を助けるという取引に応じた。しかし、『デラ富樫』を見つけることの出来ないビンゴは、無名の俳優・村田大樹(佐藤浩一)を使って『デラ富樫』の身代わりを演じさせようとする…。

今回の作品でもオールスターキャスト&チョイ役にも豪華な役者人が登場するのは、人気脚本家として監督のおかげもあるでしょう。

今までの三谷作品と関係のありそうな子ネタもちりばめられており、三谷作品のファンの方にはかなり楽しめる作品ではないかと思います。

デラ富樫/村田大樹を演じる佐藤浩一の演技が『怪演』と呼ぶにふさわしい、『役者』らしい演技で、見ていて惹きつけられました。ここまでコメディチックな役を演じたのは今回が初めてではないかと思いますが、表情の切り替えや台詞回しなど、『うまい役者は何をやらせてもうまい』ということが感じられます。

また、同じ理由で西田敏行の演技もうまいと感じることが出来ました。

その他妻夫木聡や綾瀬はるか、小日向文世に伊吹吾郎ら新旧の役者たちもがんばっていたと思います。『僕の彼女はサイボーグ』のクァク監督と同じく、三谷監督も綾瀬はるかをべた褒めしていますが、かわいいだけでなくそれなりに演技が出来る点が、評価されているのでしょう。

そして、ギャングの若頭・黒川を演じる寺島進が、完全にはまっている。この人の容貌と最近のコミカルなCMイメージが、この役にぴったりと合っていて、この作品のこの役には彼で無ければならないと言い切りたいです。

さて、このように佐藤浩一初め役者たちが大いにがんばっているのは映像から感じられますが、肝心の作品については前作の『THE有頂天ホテル』ほど楽しめる作品とはなりませんでした。

そのひとつの原因は、各キャラクターの描きこみ不足。一例として伊吹吾郎演じる鹿間隆と綾瀬はるか演じる鹿間夏子は、おそらく親子ではないかと思いますが、劇中にそういったことを感じさせる表現は一切ありません。

これは一例ですが、各キャラクターにそういった背景等がないため、スクリーンで見ることがその人物のすべて。主要人物はもう少し掘り下げて描いてもらうと、作品を楽しめそうな気がしました。

その意味ではこの作品の笑いは、『8時だよ、全員集合』等の軽演劇の笑いに近いと感じます。場面で笑いにあわせたアイテムが配置され、それを脚本に従って利用することで笑いを取る。この作品を見ていて、kainが子供の頃に親しんだ舞台コントに近いと感じました。

舞台設定にしても、ノスタルジックなセットをわざわざ組んだにもかかわらず、それを台詞でネタにしてしまっては、自虐ネタといわざるを得ません。作品全編に映画全盛時代を盛り込みたいという監督の想いが、うまく作品に生きているようには感じませんでした。いろいろな映画にオマージュをささげたいのは分かりますが、2時間の中にあまりに詰め込みすぎではないでしょうか。

ただ、映画好きの人特に年配の映画ファンにとっては、楽しめるネタがいろいろ盛り込まれていることは嬉しいことだと思います。

前作もキャラが薄っぺらいと感じましたが、今作でも同様な結果に終わってしまったようです。

ただ、友達や知り合いと一緒に見に行って、楽しむにはもってこいの作品だと思いますので、数人のグループで気軽に鑑賞しに行くことをお勧めします。

PS.エンドロールの出し方に、故市川箟監督へのオマージュを感じますのでお見逃し無く。

人気ブログランキングへ(1クリックお願いします)

kain

続きを読む "『ザ・マジックアワー』を見ました"

| | コメント (0) | トラックバック (0)

こんな作品はいかがでしょう?『誰が電気自動車を殺したか?』

8月20日に『誰が電気自動車を殺したか?』と言う作品が、DVD発売されます。この作品は、1990年のカリフォルニア州の排ガス規制法の強化を受け、世界に先駆けて発売された電気自動車のことを取り上げたドキュメンタリー映画です。

今のアメリカを見ていると、環境問題に後ろ向きと思うかもしれませんが、クリントン政権時代には京都議定書に調印するなど、ブッシュ政権よりは環境問題も積極的に取り組んでいました。

そして自動車メーカーとして世界最大のGMが排ガス対策として売り出したのが、電気自動車『EV1』です。

その顛末はこのDVDを見てもらうと分かると思いますが、さらに皮肉なのが、今日のガソリン高騰の結果、大型車を中心とした商品構成のアメリカ自動車会社は、大規模なリストラやFORD/GM合併説など、未曾有の経営危機に見舞われていることです。

ガソリン依存の高いアメリカで、なぜ電気自動車が成功しなかったのか?そんな疑問を持ったら、是非このDVDをご覧になってください。

人気ブログランキングへ(1クリックお願いします)

kain

Amazon.co.jpでも取り扱っています。

続きを読む "こんな作品はいかがでしょう?『誰が電気自動車を殺したか?』"

| | コメント (0) | トラックバック (0)

『アフタースクール』を見ました

大泉洋、佐々木蔵之介、堺雅人の3人が共演した、『アフタースクール』を見ました。

母校に中学教師として勤める神野(大泉洋)前に探偵(佐々木蔵之介)が訪ねてくる。探偵は、幼馴染の木村(堺雅人)を探しているということだった。妊娠中の妻を置いて行方不明になった木村を探すうちに、神野は木村の知られざる一面を知ることになる。

上映終了直前ということで、急遽レイトショーで見てきました。作品のを見た感想として、中々巧みな脚本を、うまいカメラワークと台詞回しで、見ている人をミスリードさせたな、というのが感想です。

とにかく前半の展開が不自然なことがなく展開している点が秀逸。終盤に明かされる種明かしで、『なるほど、そういうことか』と納得のできる見せ方だった。

特に大泉洋の演技が、お人よしの教師らしく見える点が、提示される事象を自然に感じさせ、物語を受け入れさせることにつながったと思う。

また、失踪する友人を演じる堺雅人の表情が、何かいわくありげなことも前半の展開を、素直に受け入れさせることに役立っていると思う。

後半になると物語の展開は一変するわけだが、台詞と組み合わせるとすでに前半からヒントがちりばめられていたということに、後から気づく。この点は昨年の『キサラギ』などにも通じる、巧みなミスリードを誘う演出だったと感じた。

特に一番訳知り顔だった佐々木蔵ノ助演じる探偵が、実は一番の道化回しだったという当たりは、結構痛快だと感じた。

正直一度見ただけでは完全に説明がついていたのかは確認できないが、少なくとも大きな矛盾を感じることなく見られたことは、評価しても良い点だと感じた。出来ればDVDで台詞などの細部を確認しつつ、もう一度楽しみたい作品である。

http://www.after-school.jp/index.html

人気ブログランキングへ(1クリックお願いします)

kain


          大泉洋出演作    佐々木蔵之介出演作      堺雅人出演作          

続きを読む "『アフタースクール』を見ました"

| | コメント (0) | トラックバック (1)

『僕の彼女はサイボーグ』を見ました

『猟奇的な彼女』『僕の彼女を紹介します』のクァク・ジェヨン監督が、綾瀬はるか&小出恵介をキャスティングして撮影した、『僕の彼女はサイボーグ』を見ました。

大学生のジローは20才の誕生日の日、一人の理想の彼女と出会った。たった一日の出会いであったが、ジローの心に深く刻まれた彼女だった。一年後、一人誕生日を祝うジローの前に、再び彼女が現れた。再び出会った彼女は、実は未来の自分が、彼を守るために送り込んだサイボーグだった。

韓国映画として大ヒットした『猟奇的な彼女』でチョン・ジヒョンの魅力を200%引き出したクァク監督だが、彼は日本の漫画なども好きだということで、この『僕の彼女はサイボーグ』はオタク目線で綾瀬はるかの魅力を引き出そうというのが良く分かります。

衣装もコスプレと言えるほど色々変える。中にはボディーラインがはっきり出て、かなりグラマラスであることが確認できたりします。また、彼女が微笑むカットも、殆どがアップで撮影され、綾瀬はるかで洗脳されるのではないかと思えるほどです。

ただし一言、言わせて貰えば、『監督、少し視線がエロ過ぎじゃありませんか(笑)』です。とにかく、綾瀬嬢を捉えるフレームワークが、やたらと『バストアップ』あるいは『バスト』のみショットなどが多かった。しかも綾瀬はるかをサイド・ショットで捉えることが多いため、

『綾瀬はるか、かわいい』

と思うよりも

『綾瀬はるか、大きい(どこが?ということは…)』

と思ってしまいました。

まあ、これを見る、綾瀬はるかファンの男性にとっては、全編サービスカットと思っても過言ではないでしょう。

そして、クァン監督作品に欠かせないのがダメ男。今回小出恵介が演じるジローは、本当にいいところなし。ダメ男の中のダメ男、実写版の野比のびたでした。コメディ作品に出ることが多い彼にとっては、こんな役が以外にもぴったりと感じます。

さて、ストーリーですが限りなく『ターミネータ2』のパクリ?とも言えそうな内容。演出にも同様のシーンがあり、監督はよほど『ターミネータ2』がお好きなようです。(ちなみに私も大好きな作品です)

また、『猟奇的な…』や『僕の彼女を…』と同じようなシーンがあったりするなど、演出面に工夫がないことはマンネリと言えそうです。同様にアイディアを詰め込みすぎて、それらをうまく関連付けた展開に出来ない点などは、『僕の彼女を…』と同じ傾向です。

そして最大の欠点は、タイムトリップ物に欠かせない『タイム・パラドックス』を全く無視している点は大きな減点と言えるでしょう。なぜならこの点を考えると、ファーストカットが存在しなくなり、『彼女』自体が成立しなくなってしまいます。さらにラストカットの展開も、同様の可能性を生じさせます。

しかし、この作品を『SF・ラブロマンス』と捉えず、『SFテイストなラブコメ』としてみれば十分に楽しめる作品ではないでしょうか。あるいは、綾瀬はるかを見て楽しむ作品として考えれば、満足度は200%に達すること間違い無しです!

最後に、彼氏とこの作品を見る女性の皆さんに一言。彼氏の視線を追って、『大きい』部分を凝視していても、許してあげてください。男のサガですから(笑)

http://cyborg.gyao.jp/

人気ブログランキングへ(1クリックお願いします)

kain

続きを読む "『僕の彼女はサイボーグ』を見ました"

| | コメント (0) | トラックバック (0)

『クライマーズ・ハイ』を見ました

1985年の日航機墜落事故を取材した、新聞記者たちの1週間を描く、『クライマーズ・ハイ』を見ました。

1985年の8月12日、群馬県の御巣鷹山にJAL123便が墜落。航空機事故史上最大最悪の、日航機墜落事故である。群馬の地方紙・北関東新聞の記者達は総力を挙げて取材をするが、様々な問題に直面する。

この日航機事故もすでに23年が過ぎ、直接この事故を知らない世代も増えてきているといわれる。当時、夕方に飛び込んできた子のニュースは、その日のうちに機体の墜落場所を特定できない上、翌日になり発見されても、救助隊が到着できるのが夕刻になるなど、日本にもいまだ人の入ることが難しいところに墜落し他のだということを、TVからの情報だけで感じたものでした。

しかも初めは不時着したという情報もあり、『生存者が多数いるのでは』と言う期待もありながら、4人救出にとどまるなど、航空機事故の一部始終がTVで報道され続けた事故でもあります。

作品でも同じで、全国紙に遅れを取るまいと意気込む記者連中だが、あまりの事故の大きさに圧倒され、混乱を極める編集部。しかし、地元紙としての維持と、郡までの事故を性格に報道したいとする瀬戸際のせめぎ合いが、実に迫力ある映像で表現されていました。

この貴社を演じる人たちの全員が、実に良い演技をしています。編集部にあり冷静に記事をより分ける悠木を演じる堤真一。いち早く現地を取材し、その惨状を取材する、狭山(堺雅人)と神沢(滝藤賢一)。そして記事の行き過ぎや他のニュースとのバランスを取る局長達。

これらの人たちが、それぞれ血の通って人間として描かれており、大変見ごたえのある作品でいた。

また、あまり一般の人が目にする機会のない、新聞の発行現場の雰囲気も、やや誇張している気もしましたが、リアルに描かれていると感じました。

そして、最大の見所は事故原因を特ダネとして記事にするのか、しないのかのシーン。公共の情報機関としての新聞の役目と、他の新聞社達のとの競争に勝つか負けるかの現場。その中で下される決断までの展開は息が詰まりそうな緊迫感でした。

監督の原田眞人氏は『金融自縛列島』でも、人々のせめぎ合いの中で意見を戦わせる作品を取っていますが、今作でもその力を遺憾無く発揮しているといえます。

今年見た作品の中ではベスト3に入れたい作品です。ぜひとも劇場で見ることをお勧めします。

http://climbershigh.gyao.jp/

人気ブログランキングへ(1クリックお願いします)

kain

続きを読む "『クライマーズ・ハイ』を見ました"

| | コメント (0) | トラックバック (0)

『奇跡のシンフォニー』を見ました

親に捨てられ孤児院で育てられながら、天才的な音楽の才能に恵まれていた。ある日であった人々のおかげで、世に彼の名前が広がっていき、『この世界のどこかにいる両親の耳にきっと届く』ことを信じるようになる。

孤児院で育てられたエヴァンは11歳の時孤児院を飛び出し、マンハッタンによってきた。音楽の才能を見出されたエヴァンは、ストリート・ミュージシャンとして生活をする集団と共に生活し、やがてその才能を開花させる。

エヴァンを演じるフレディ・ハイモアは相変わらず演技がうまい。特に場面場面で見せる表情が的確で、見ているほうがその表情によって作品に引き込まれてしまいます。

もう一人うまいと感じたのはジョナサン・リス=マイヤーズ。エヴァンの父でありながらその事実を知らずにエヴァンと出会う場面。ここで見せる彼の姿が、ミュージシャンとしての意見でありながら、父として子供に道を教える姿でした。

この作品では音楽が重要なポイントになっていますが、これらについても満足いく出来上がりでした。特に終盤の音楽祭のシーンでの演奏はオーケストラの重厚な音楽を楽しめます。

ただ、この作品を見ていると『オリバー・ツイスト』を思い出してしまったように、主人公のエヴァンが、自分がどうしたいのかをはっきりと言わないため、周りに流されているだけのように感じました。

同じ理由で、エヴァンの両親の行動についても何がしたいのか、あるいは何のための行動なのかが、あいまいになっていると感じました。

作品としての弱い部分はあるものの、ラストに向けての盛り上がり方は、中々感動的なので機会があれば劇場で見ることを進めたいと思います。

http://www.kiseki-symphony.com/

人気ブログランキングへ(1クリックお願いします)

kain

続きを読む "『奇跡のシンフォニー』を見ました"

| | コメント (0) | トラックバック (1)

« 2008年6月 | トップページ | 2008年8月 »