« 『ノーカントリー』を見ました | トップページ | 『ナルニア国物語/第2章:カスピアン王子の角笛』を見ました »

『ミスト』を見ました

スティーブン・キング原作のミステリーホラー、『ミスト』を見ました。

激しい嵐の過ぎた翌日の朝、デヴィッドは息子とスーパーマーケットに家の補修用品を買いに向かった。その時から湖には濃い霧が立ち込めはじめていた。やがて、その霧は町中を覆い始め、霧の中にいる人々を何者かが襲い始める。

キング原作と言うと『シャイニング』などが思い浮かびますが、

彼の作品は、人の心理を衝いて来る皮肉な作風に魅力があります。

この作品でも、霧の中にいる生物は確かに恐怖の対象ですが、人々が本当におびえるのは『人間』です。

霧に閉じ込められたスーパーの中で、人々がそれぞれの考えを展開し、やがて恐ろしい方向に意見が集約される。それが必ずしも常識が通用しない考えと言うところが見ていると、恐ろしいというか集団心理の怖さみたいなものを感じます。

『外に出ると危険があるため、建物に閉じこもる』と言うゾンビ映画でよくあるシュチュエーションですが、決定的に違うのはそこにいる人々の信頼感。

ゾンビ映画では、少数ながら協力して戦うのが多いのですが、この作品では疑心暗鬼が人々を不信に陥れます。

この不信感を増すための仕掛けが、うまく組み込まれているのが作品の面白さでした。その為、『なんとなくこういう人いるな』と感じながら見ることが出来ます。

『霧』と言う日常でも起きる事象が、異常事態の引き金となっているのも、常識を変えられない人の心理をうまく衝いているといえるでしょう。

霧の中にいる生物などの表現は、クローバーフィードに近いものがあります。VFXなどの表現力もあってリアルに感じられました。

この作品で『怖いな』と感じたのは、宗教の魔力でしょうか。集団の不安を煽り、やがて集団の心の支えになっていく様は、霊感商法などとの手法とそっくりです。

さて、この作品は人間の心理を巧みに操利、操られることの恐怖を絵見せてくれます。もっとも顕著なのがラストの展開です。このラストに至るまでは、見ている側に、そうならざるをえないだろうと感じさせてきました。

しかし、それを根底から突き崩すあのラストに関しては、あまりにも皮肉が利きすぎいているのではないかと思います。

ラストの解釈としては、生きる努力をしないことが、あの結果になったとの解釈も出来ます。しかし、その解釈が全編に通っているとすれば、登場する人々は全員が、生きるために精一杯の努力をしたとはいえないし、また、そうではない人が生き残った結果になったというのも、ちょっと理不尽な感じがしました。

ラストの展開は原作には無いということで、映画オリジナルですが、考えずにはいられないものです。

この作品はサスペンスホラーとして、大変面白い作品でした。ただ、展開が暗いく重いうえ、結構悲惨な展開です。ただ『衝撃のラスト』の宣伝文句が、これほどぴったりな作品は今までに無かったのではないでしょうか。

http://www.mistmovie.jp/

人気ブログランキングへ(1クリックお願いします)

kain

|

« 『ノーカントリー』を見ました | トップページ | 『ナルニア国物語/第2章:カスピアン王子の角笛』を見ました »

映画・テレビ」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/224846/41243717

この記事へのトラックバック一覧です: 『ミスト』を見ました:

« 『ノーカントリー』を見ました | トップページ | 『ナルニア国物語/第2章:カスピアン王子の角笛』を見ました »