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『ガチ☆ボーイ』を見ました

記憶障害を持ちながら、学生プロレスに青春を燃やす青年とそれを支えるプロレス研究会の仲間達を描いた、『ガチ☆ボーイ』を見ました。

事故で記憶障害を負った五十嵐は、事故前に見た北海道学院プロレス研究会(通称:HWA)に入部する。記憶障害を持っていることを秘密にしたまま練習を続けるの五十嵐だが、やがてそのことが知られてしまう。

この作品の監督は『タイヨウの歌』でも、障害者が普通の生活をしたい、と言うテーマ、ノーマライゼーションを描いている。『タイヨウの歌』はラブロマンスだったが、今作はスポーツコメディ物。しかし、根底には障害を抱えて生きることの大変さと、それを支える人々の優しさを、真っ正面から捕らえる芯の通った作品を見せてくれます。

佐藤隆太は年齢的にも大学生の役にぴったりでしたが、それ以上に彼のプロレスをしているときの表情が、『楽しい』と言うことを感じさせてくれます。

また前半のプロレス研究会での練習の日々でも、部員全員が楽しんで練習しているのが感じられ、大学のサークル活動の雰囲気が良く出ていました。

サエコ演じるあさ子が、ちょっとアニメ声だったのは出来すぎという感じでしたが、ショートカットのかわいい女の子という、スポーツ物ヒロインとして定番のスタイルで登場し、五十嵐や部員達に優しく接する姿も、『学生時代には、こういう子に憧れたなぁ』と感じます。

部員の中で部長を演じる向井理が、サークル存続のため人気を出そうと苦悩し、さらに五十嵐の障害を知ることで、より辛い立場に置かれる。部長としての辛い感情をなかなか上手く表現していました。

また、泉谷しげる演じる、五十嵐の父も不器用な父親像にぴったりという記がします。

さて、作品中で語られる記憶障害ですが、この障害をテーマにした作品は『博士の愛した数式』や『50回目のプロポーズ』などがあり、最近割と目にする物です。

基本的には事故の衝撃などにより、脳の一部に損傷があり、ある一定時間以上は記憶する事が出来ない、と言う障害です。

作品中では五十嵐は一晩眠ると事故にあった以降の記憶が残っていないと言う風な障害とされています。その為彼が登場から、ポラロイドを盛んに撮り、事あるごとにメモしています。そうすることで翌日に繋げるわけです。しかし、メモを無くしたり、メモすること自体がつらいことだと…

このような問題を、作品中では2度取り上げます。一つは試合用の体育館の申請忘れ、そしてもう一つが、あさ子への告白です。特にあさ子への告白では、自分にとっては初めてでも、相手にとっては…、と言うことが双方にとって、とても辛いことだと感じられました。

作品の終盤は、スポーツ物の定番の試合シーンです。ここは熱くなります。題名通り『ガチ』ですから。CGなどは使わないため、本当に迫力があります。本来HWAは『安全第一』をモットーにするサークルですが、この最後の試合に関しては、男の意地のぶつかり合い。それこそ、命がけの戦いとも言えます。

もちろんこの試合には、いろいろな困難があります。五十嵐と父親の不和、HWAに対する連合・シーラカンズの思惑、等々。しかし、これまで一生懸命練習してきた、HWAの面々は、記憶障害があり危険が伴うと分かっていても、五十嵐のため、彼が生きていることを証明するために、試合に臨む五十嵐を応援します。

果たして、五十嵐がこの日のために練習した、必殺の『ドロップキック』が炸裂するのか、あるいはHWAが負けてしまうのか、試合の結末は絶対に見る人の心を打ちます。

お涙ちょうだい的な作品はちょっと、と言う方もスポーツコメディを見るつもりで見ると絶対に楽しめると思います。

http://www.go-go-igarashi.jp/

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kain

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コメント

泉谷さんのあの不器用な感じが最高に良かったです。
日記のシーンでは泣きました。

投稿: 咲太郎 | 2008年4月13日 (日) 11時55分

咲太郎さん、コメントありがとう。

あのシーンは、本当に切ないシーンでした。

投稿: kain | 2008年4月13日 (日) 12時24分

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受信: 2008年4月13日 (日) 11時56分

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