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『大いなる陰謀』を見ました

戦争に対する政治、マスコミ、市民の3つの観点を私達に問う、『大いなる陰謀』を見ました。

ジャーナリストのジャニーンは、上院議員アーヴィングとの独占インタビューをすることになった。元軍人のアーヴィングは膠着状態のアフガンの現状を『新作戦』で事態をすることを、ジャニーンにリークする。ジャニーンはこの情報がプロパガンダであることを見抜いた上で、アーヴィングとインタビューを通じて、意見を対決させる。一方大学教授のマレーは、目標を見失っている一人の生徒との面談を行っていた。

現代のアメリカでの矛盾を提示し、そのテーマについて見る人に問いかけてきます。特に、国のために何をするか?と言うケネディー以来アメリカ人が重んじる事に、疑問を提示する内容です。

さて、劇中の構成は同じ時間の3箇所で展開します。ひとつはアーヴィングのオフィス。もうひとつはマレーの研究室。最後がアフガンの戦場。この3箇所で展開する内容は巧妙にリンクしており、その関係を理解することが作品の内容の深く理解することが出来ます。

緊迫したやり取りを見せてくれるのはジャニーンとアーヴィングの会話劇。丁々発止の言葉の攻防に、見るほうも緊迫感を感じ、またそこで展開される事柄を、9.11以来のアメリカの政策と重ね合わせると、二人の話している内容の重大さを感じます。

この点、若くて野心溢れる政治家が老練なジャーナリストを相手に、自らの功績作りのために、利用しようと言葉を弄する。そのある意味高慢な態度が、トム・クルーズの雰囲気にあっている。その結果ストリープの老獪な態度とあいまって、表面的には穏やかながら、お互い裏に秘めた目的に相手を引き込もうと言葉を重ねる。そんな二人の会話劇が実に見ごたえのある作品でした。

しかし二人の会話の結果の先が、アフガンの戦争につながります。二人の兵士の運命は、彼らの崇高な理念とは関係なく、政治の駒として利用されてしまう。それこそが今のアメリカでの矛盾を、われわれに示します。

この二人の兵士の理念を解説し、アメリカの市民が今後『国のために何をすべきか?』を問い、果たして今のアメリカは正しい道を歩んでいるのかを、観客に問いかけてくるのが、マレーとトッドの会話劇。

若くて正直な青年達が表面的な愛国心に流されることなく、本当に国のためになることを考えろ、と監督のロバート・レッドフォードは言いたいのではないでしょうか?

この作品がやや不完全燃焼なのは、この問題に答えを表さないことでしょう。レッドフォード監督作ですので、彼自身の意見が強く前面に出てきますが、提示される内容が現政権に批判的なことが偏った印象を持ってしまいました。

ラストシーンでアメリカの政治施設と無名戦士の墓を見つめながら、ジャニーンが何を思うのか?そのことが見終わった後が、強く印象に残りました。

作品としての派手さはなくエンターテーメントとしての面白みもありません。また『華氏911』のような強烈な政権批判をするのではなく、見る側にアメリカの現状を提示し、その問題をどう考えるかを問いかける、社会派のドラマです。

http://movies.foxjapan.com/ooinaru/

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