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『アメリカン・ギャングスター』を見ました

デンゼル・ワシントン&ラッセル・クロウのアカデミー賞コンビが、黒人麻薬王とそれを追う刑事を演じた、『アメリカン・ギャングスター』を見ました。

1960年代ベトナム戦争の影響が、次第に強くなるアメリカ。ハーレムを仕切るバンピーのボディーガード・フランク(デンゼル・ワシントン)は、バンピーの死後、自ら麻薬ビジネスを取り仕切るようになる。一方、ニュージャージ警察のリッチー(ラッセル・クロウ)は、賄賂も当たり前に受け取る警官が多い中、正義を信じ日々の捜査を行っていた。

やがて、フランクはベトナム戦争の犠牲者の棺を使い、純度の高い麻薬を直接密輸し、麻薬ビジネスの大物に成り上がった。

アカデミー俳優の共演だけあって、とても見応えのある作品でした。特にフランクを演じるワシントンが、麻薬の大元締めでありながら、母や家族にも気を配るという2面性を上手く演じており、ただの悪党ではなく、社会の歪みの中で生きるために、ビジネスとして麻薬を扱うという面を、しっかりと描き出しています。

また、フランクのの母を演じたルビー・ディーが、捜査の手が伸び警察に報復しようとするフランクに対して、毅然として説教をする場面の迫力が目を引きました。

その意味でビジネスにおけるフランクの非情さに対しては、あの名作『ゴッド・ファーザー』のマイケルを彷彿させる物がありました。

一方、警察の腐敗もしっかりと取り上げる点は、さすがはリドリー・スコット監督。しかもこの警官達が本当にたちの悪い連中、まさにハイエナと言っていいでしょう。

狡猾な悪徳警官に振り回されるのは、フランク達の組織とリッチーの特別捜査班。この両者を手玉にとり、ことごとく金品をかすめ取るやり口が、実際に存在したと言うことに驚かざるを得ません。

さて、物語の中でフランクの組織が大きくなるにつれ、少しずつほころびが出だします。このほころびが、悪徳警官と特捜班がフランクに目をつけるきっかけになる。この時点から物語は、ヒートアップし始める。それまではフランクにとっては組織の構築、リッチーにとっては警察内部の不正と特捜班誕生の経緯を、両者を直接絡まない物の、少なからぬ関係を持っていることが感じられます。

二人は相反する世界に生きながら、あるものを得るために犠牲にしなければならないものを背負い生きている、と言う似たような境遇にある。そして、二人が失っていくものが多くなるほど、互いの距離が近づいていくのだが、それはフランクにとっては破滅の足音である。

そして、ちょっとしたミスがフランクの組織の壊滅に繋がるのだが、そこからの展開は非常に小気味よく、かつ緊迫感がある。

しかし、kainはその後のシーンの方に魅力を感じる。ワシントンとクロウが二人で向き合うシーンだが、男の生き様を背負った一言一言にどっしりとした重みと、息の詰まりそうな迫力があるので、じっくりと楽しんでいただきたい。

警察対マフィアの一見単純な構成に見えるが、人の心の明と暗、あるいは因果応報ともとれる展開が、とても魅力ある作品でした。

http://americangangster.jp/

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