« 『ナショナル・トレジャー リンカーン暗殺者の日記』を見ました | トップページ | 『AVP2 エイリアンズVS.プレデター』を見ました »

『4分間のピアニスト』を見ました

皆さん、明けましておめでとうございます。

今年もよろしくお願いします。

刑務所内でピアノを教える教師と、才能がありながら受刑者として刑に服しているピアニストの関係を描いた『4分間のピアニスト』を見ました。

ピアノ教師として刑務所を訪れたトラウデ・クリューガーは、受刑者の一人ジェニー・フォン・レーベンと出会う。過去に国際コンテストに出場するなど類い稀なる才能を持ちながら、過去の過ちゆえに自暴自棄となり、心を閉ざしていた…

まずいつも見慣れた邦画やアメリカ映画とは趣が違い、終始長えっトーンで、生きることの意義や尊厳を問いかけてきた作品でした。

特にピアノ教師クリューガーが過去に負った心の傷を、物語が進むにつれて明かされていく展開と、ジェニーの心の動きが微妙に重なり、二人の関係を結びつける構成は、(やや分かりにくいカット割ではあるものの)二人の生きるということに対する、考えの違いを浮かび上がらせてくれます。

さらに現代を生きるジェニーにとってはクリューガーの教えは古臭いものであることをたびたび提示し、それを矯正しようとするクリューガーとのぶつかり合い。相容れないと思われる価値観をどのように共有させるか、心を通じさせるためにどのように接するか、教育ドラマとしての側面も感じます。

さてジェニーを演じたハンナー・ヘルツシュプルングの演技が秀逸でした。実はこのジェニーは作品中ほとんど、暗く影を背負った感じを出しているのですが、この時見せる彼女の表情と、時折挿入される激昂した表情の差には驚きを感じ、またその迫力に圧倒されます。

刑務所内ということで、周囲の環境も非情に厳しく、ピアノを弾くことに対する、嫉妬や嫌がらせなどを受けつつも少しずつクリューガーの教えを受け入れ始めるジェニー。この辺りのくだりも妙に感情的にならず、さらりとして映像に織り込まれるので、画面の表情や台詞をしっかりと理解しながら見ないと、ストーリーにおいていかれそうでした。

だからこそ、ラストカットに見せる彼女の表情には、さらに驚かされました。この表情は本当は何を伝えたかったのか、この点ではkainは明確に理解することが出来ませんでした。

ジェニーにとって世界はすべて敵であり、その中で既存の権威を象徴しているクリューガーに対する反抗か、それともその才能を発揮することの出来た歓喜なのか、ヒューマンドラマとしてこれほど考えさせられるのは、久しぶりです。

作品として爽快感や娯楽性は全くありませんが、人生を生きるということについて考えさせられる作品でした。

http://4minutes.gyao.jp/

kain

|

« 『ナショナル・トレジャー リンカーン暗殺者の日記』を見ました | トップページ | 『AVP2 エイリアンズVS.プレデター』を見ました »

映画・テレビ」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/224846/17580418

この記事へのトラックバック一覧です: 『4分間のピアニスト』を見ました:

« 『ナショナル・トレジャー リンカーン暗殺者の日記』を見ました | トップページ | 『AVP2 エイリアンズVS.プレデター』を見ました »